7.03.2015

KOWAI EHON


別冊太陽(平凡社・刊)の「こわい絵本」特集に、『めっきらもっきら どおんどん』が載りました。わたしのはじめての絵本。長谷川摂子さんの文章に、絵を描かせてもらいました。

編集者の方から、はじめに、この企画にこの絵本を掲載したいという依頼をいただいた時は、正直、わたしは戸惑いました。実は、その数ヶ月前には、ある雑誌で、「めっきら」がわすれられないこわい絵本だという、高校生の手記を読んだばかり。そのときは、「めっきら」って、小さい子には、こわい絵本だったんだぁ、と半分笑いながら、その手記を受け止めていたのですが、今度は、このような依頼がくるなんて、「めっきら」は、ほんとうにこわい絵本だったの?????

長谷川さんとは、「めっきら」以外にも何冊か絵本をいっしょに作らせてもらいました。2冊めか、3冊めを作ったころでしょうか、ある雑談中に、わたしは長谷川さんに「こんど、いっしょにこわい絵本を作りましょうよ」と提案しました。当時のわたしは、摩訶不思議なことにゾクゾクしたり、人間の闇を垣間見せるような作品に、惹かれていました。だから、長谷川さんが、そんなお話を書いてくれたないだろうかと、じぶんの希望を口にしたのです。わたしの提案に、長谷川さんは、「うーん、そうねぇ・・・」とちょっと考え、そして言いました、「何のために(子どもを)怖がらせるのか、それが大事なのよね。」と。
その答えに、わたしは、ハッとさせられて、それ以降、その話を口にすることはありませんでした。

昔、そんなことがあったので、わたしは、掲載依頼に戸惑いました。
それで、その気持ちを正直に、雑誌の編集者・Uさんのメールしたところ、わたしが心配するような雑誌作りではないという確信をえられるお返事をいただき、掲載を承諾しました。

完成した雑誌が、スロバキアに届きました。


『めっきらもっきら どおんどん』は、6つに分けられた章のうち「おばけと妖怪大集合」に入っています。
ページをめくって驚きました。「こわい絵本」といっても、こんなにいろいろあることに。そして、たくさんの絵本が、従来の「えほん」という枠をこえて、広がりつつあることに。
とても刺激的な特集です。

どうぞ本屋さんで、ぜひ手にとってご覧ください。
ひとつ告白ですが・・・わたしがこわくて見られない有名な絵本も・・・ちゃんと載ってます。