11.26.2015

子守うた集


10月に発売されたCDを買いました。

友人のダニエラがトータルにイラスト、デザインをしている”Uspávanky”(子守うた集)のCDです。
中には、スロバキアやその周辺(スロバキア国内の少数民族ルシンやクロアチア、モルドヴァ共和国)に昔から伝わる民謡の子守うたが、インストゥルメンタルで18曲収録されています。(中に小冊子に歌詞が書かれています。)

使われている楽器は5つ。


のんびりしたアレンジで聴いているとほんとうに眠りにおちてしまいそう。
YoutubeでCDの録音風景を観ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=P-GNWVSDkTE&feature=youtu.be

ダニエラのデザインもすてき。ジャケットの中には、こんなおまけも入っています。



CD本体には、たくさんの羊が描かれていて、これがくるくるまわっている様を想像するのも、また楽しいです。
スロバキアの良いもの、もっとたくさん日本に紹介したいな・・。




11.18.2015

夜のうさぎたち。


1ヶ月以上前の話です。
スロバキアの首都ブラチスラヴァで、10月11日、一夜かぎりの野外アート展示、"Bierá Noc"展が行われました。「白い夜」という意味です。この企画は世界のあちこちの都市で開かれているようで、パリや東京でも開催されているはずです。
夜の街のあちこちで、現代アート作品を観ることができます。ギャラリーなどの展示会場も一晩中オープンしていました。当日はあいにくの雨降りでしたが、夜になるとほとんど止み、暗い夜の街中をたくさんの人々が歩き回り、作品を楽しんでいました。

写真は、旧市街のまんなかの中央広場風景です。


 広場にはこんな巨大な白ウサギのオブジェが・・・。空気をおくって膨らませたものを、中から灯がぼんやり照らしています。材料は気球の布なのでしょうか、そのやわらかさも白ウサギにぴったりです。そして、雨上がりの濡れた石畳に、白い姿がぼんやり映って、とても幻想的でした。

これは、オーストラリアの作家、Amanda Parer の作品です。この作家は世界のあちこちで、巨大なウサギを野外展示するインスタレーションを行っています。

わたしは、どちらかというと現代アートは苦手で、いつもだまされたような気持ちになってしまうのですが、これには素直にノックアウトされてしまいました。
あの中央広場が、夜の闇と巨大な白ウサギのおかげで、別世界になったのです。それも、しあわせな気持ちになるような・・。そして、たくさんの人たちが、この空間を楽しんでいます。その人たちと、いっしょにこの広場にいられてよかったなと思いました。

だから・・・・・・
よけいに、11月13日の金曜日にパリをおそったテロが許せません。
とつぜん、この広場で自爆テロが起きたら・・・・。想像してみてください。
しかし、武力での報復など何の役にも立たちません。それどころか、これがきっかけで、恐怖や憎しみが、ますます増殖します。死者も難民も増えます。そして、それらの多くが普通の人たち、子どもたちであること。こんなことが解決につながるわけがないことを、一番良くわかっているのが、各国の首脳でしょう。何のために突き進むのでしょうか。
もう武力行使することを止めてください。空爆をやめてください。自分の欲望のために人の命をもてあそぶのを止めてください。

これまでに武力攻撃やテロで亡くなった人々のご冥福を祈ります。
そして、いつまでも、人々が、このような展覧会を楽しむことができる社会であってほしいと、切に祈ります。






11.12.2015

「子ども脱被ばく裁判」応援カレンダー


© Nana Furiya


「子ども脱被ばく裁判」応援カレンダー2016制作に参加しました。12人の絵本作家さんがひと月分ずつの絵を描いています。上の絵がわたしの描いた「希望の種」です。1月の絵です。

「子ども脱被ばく裁判」については、ここにわたしがごちゃごちゃ書くとわかりにくくなるので、どうぞ、裁判を支える会のブログをご覧ください。
「子ども脱被ばく裁判のブログ」→ http://datsuhibaku.blogspot.sk/p/blog-page.html

カレンダーは1冊 1000円です。売上金の一部は裁判支援へのカンパになりますので、多くの方がカレンダー購入をとおしてこの裁判を応援してくださったらうれしいです。
詳しいことは、上記のブログのホームをクリックしてください。販売方法などの案内が出てきます。
お知り合いの方へも声かけて、支援の輪をひろげてください。

また12月3日~26日に大阪の「空色画房」にて、カレンダー原画展もひらかれます。会期中、チャリティーの小品販売もあります。わたしも2点出しました。こちらのほうもどうぞよろしくお願いいたします。
空色画房HP → http://www.eonet.ne.jp/~mousebbb/sorairo.html

カレンダー制作参加への打診は、「手から手へ展」参加作家の市居みかさんからもらいました。みかさんは、たくさんの絵本を作る絵本作家であり、子育てまっさい中のお母さんでもあります。そしてさらに、3,11の原発事故以降は、子どもが育っていく未来の環境への危機感から、脱原発、福島県の被災者支援など積極的に発信おられます。もちろん、このカレンダーの一枚を担当しています。
わたしは、震災後、すぐに「手から手へ展」を立ち上げ、友人たちと展覧会巡回を行ったものの、展覧会終了後は、これから先わたし自身にいったい何ができるのか、悶々とした気持ちを抱えながら、でも何もできない日々をおくっています。絵本を作る人間として、絵本として何か表現したいと思い、作りはじめながら、どうしても何かひっかかるものがでてきて、途中で放り出してしまいました。
そんな中、みかさんが声をかけてくれて、ありがたかったです。


この裁判を支える会が出しているブックレットです。
原告側の井戸謙一弁護士が書かれている文章は、とてもわかりやすいので、多くの方にこちらも読んでいただけるとうれしいです。(購入の案内は上記のブログにあります。)
福島第一原発がおこした事故は、危機的な事故だということを、わたしたちは忘れてはいけないと思います。放出された(今も放出されている)放射能は目に見えませんが、生きものの細胞を破壊する毒物です。
自分が住んでいる地域がその毒物に汚染された人々は、被害者です。加害者ではありません。
自分が大切にしてきたもの、生活の糧を汚染されてしまった、被害者です。
なのに、原発事故後から、その被害者が、その苦しみを口にだせない状況が、粛々と作られ、さらには、口に出すことの方が「風評被害をあおる」と罪悪感を持たされてしまう空気が日本中をおおってしまいました。変だとおもいませんか? なんで被害者がちいさく身をちぢめて暮らさなくてはいけないのでしょうか? 実際、福島では甲状腺がんの子どもが平時の発生パーセントより増え、中には手術を受けたお子さんもいます。だけど、その子の親がどこかで、事故にたいして怒りの発言をしているのを聞いたことはありますか? みんな押し黙って暮らしていらっしゃる。どうして? 被害をうったえても、自分の気持ちを外に出しても、良いことは何もないからではないですか?

ブックレットの後半には、原告のお母さん3名の声がよせられています。
事故がおこってからの状況。葛藤。お子さんが鼻血を出す話もでてきます(これもバッシングの対象になりました)。身近の人たちから理解されない苦しみも書いてあります。
避難先で心無い言葉を言われたはなしも出てきます。
どうして?! どうして逃げてきた傷ついている弱っている人たちに、さらに追い討ちをかけるようなことができるのか、わたしにはどうしても理解できません。 つい最近もありました。シリア難民に対し、難民の女の子の写真をトレースしたマンガに「他人の金で生きていたい。そうだ難民しよう!」と書き、ネットにアップした事件が。
どうしてしまったのだろう、日本人は。それとも、日本人は昔からそういう人種だったってことですか? 
福島の原発事故の加害者、責任者は、今ものうのうと生きています。有名な政治家もいます。
そちらへはバッシングの矛先が向かず、弱いものへ向く社会。そんな社会をわたしたちは求めているのでしょうか。

このブックレットの表紙に書いてあります。

怖がっていい 
泣いていい 
怒っていい 
いつか、 さいごに笑えるように


どうぞ、「子ども脱被ばく裁判」への支援をよろしくお願いいたします。



11.05.2015

お久しぶりです。


久しぶりの更新。
ご無沙汰してました。2ヶ月以上、音沙汰なくてごめんなさい。
今日まで、自分でも開けるのがこわかったこのブログ。久しぶりの作業に、手がふるふるしています。作業手順おぼえているか、不安。


夏の猛暑から一転。
11月のわが町には、霜がおりました。朝の気温は2℃です。


いつのも散歩道も白くかがやいています。
野原の草や枯葉、花に霜がくっついてジュエリーのようです。


ブログ更新をさぼっていたこの数ヶ月、いろいろなことがありました。
9月19日未明に、参議院本会議で戦争法が可決しました。その前の特別委員会での「にんげんかまくら」騒ぎはもちろんのこと、ここに至るまで国会審議でおこなわれた首相、大臣たちの答弁も、わたしにはまったく納得できるものではありませんでした。しかし、最後は数の力で粛々と可決されました。わたしは、スロバキアからネット中継をじっと見つめるしかありませんでした。
でも、わたしは、不感症になりたくないのです。今のようなかたちで、世界中に軍事力依存・軍産複合体がひろがり、軍事からもっとも遠い普通の市民、とくに子どもたちの命が、ひきちぎられ、踏みつぶされていくことに。どこかで誰かの命がゴミのようにあつかわれ、その一方で、その命をゴミのようにあつかう誰かが大もうけしている世の中って、変だと思いませんか?
だから、わたしは、あきらめずに声をあげ続けます。

© Nana Furiya



雑誌「鬼ヶ島通信」に、短編マンガを描きました。

© Nana Furiya

中・高校時代は、マンガ家になりたかったわたし(高校時代はバレーボール部と漫研所属)。だけど、あの仕事量を知り、自分にはぜったい無理とあきらめたへたれ。やっとひそやかにマンガデビューします。掲載は、12月はじめに刊行の「鬼ヶ島通信50+16・冬号」です。どうぞお手にとってごらんください。
「鬼ヶ島通信」のHPはこちら→ http://onigashima-press.com/


今月はじめに、「おれたち、ともだち!」シリーズ(内田麟太郎・作/偕成社)12冊目にあたる『いつだって ともだち』の原画を日本へ送りました。来年春の刊行予定です。
原画は送ってしまったので、画像はラフの一部。





もうひとつお知らせ。
テミルプロジェクトの絵を描きました。
テミルプロジェクトのHP→ http://www.temil-project.jp/

            FB→ https://www.facebook.com/temil.project/
できあがってきたお菓子の缶です。


12月に関西方面でテミルのイベントがおこなわれるみたいです。
どうぞみなさま、チェックしてくださいね。


そして10月は、「子ども脱被ばく裁判」応援カレンダーの絵を描きました。12人の絵本作家が1枚ずつ絵を提供しているチャリティーカレンダーです。
これについては、次回ブログにアップします。
ご無沙汰にならないように気をつけます~。