クリスマス準備熱という伝染病があるとしたら、現在スロバキアは隔離されてもしかたのない重症状態。熱にうかされた多くの人々が必死の形相で、ショッピングセンターをさまよっています。
そして、あれよあれよという間に、もうあと数日でクリスマスではありませんか。わたしは、ブラチスラヴァの青空市場にあるものを買いにいきました。
すると・・・・・な・な・なに?!この行列は・・・・。
なんだか、イヤな予感。
列がひろがらないように、野菜カゴで通路を確保したり、なんだか本格的・・・。
まさか・・・と思いつつ、列の先頭へと歩いていくと・・・・はぁ~・・・やっぱりそうでしたか。
すっぱいキャベツの漬物を買う人々の行列でした。
スロバキア語でキスラーカプスタ(Kyslá kapusta)。ドイツのザワークラフトです。
たるに入った酢キャベツが、数キロ単位でどんどん売れていきます。
このキスラーカプスタはスロバキアのクリスマスイヴのディナーにはかかせない食材です。イヴに肉を食べないスロバキア人は、聖なる晩のディナーに、これと干しキノコを煮込んだスープをいただきます。地方によって味付けにバリエーションがあるそうですが、夫の田舎では、伝統的にサワークリームを使います。大きなペットボトルに入っているのは、すっぱい漬物の汁です。スープにはこの汁も使います。お好みにあわせて汁の量を調節し、スープのすっぱさを加減します。
近くでは、干しキノコも売っていました。
秋にキノコ狩りをして自家製の干しキノコを作る人も多いですが、こうやって、イケメン3人が並んで売っていると、ついつい買いたくなります。・・・・わたしは夫同伴だったので、写真だけ。
これは、むきクルミの山。1kgで8ユーロ(1000円強)です。クルミもクリスマスのお菓子にはかかせません。クルミを挽いた粉をクッキーに入れたり、砂糖と卵の白身をまぜて焼き菓子のあんにします。
ブラチスラヴァ周辺では、もみのきだけではなく、ヤドリギの枝も飾りつけに使われます。夫の田舎の東スロヴァキアでは、この伝統はありません。
写真を撮っていたら、売り子のおじさんに、この上から吊り下げた力作を撮れと言われ・・・・・ポーズをとったおじさんといっしょに、カシャッ!
で、わたしが市場に買いにきたものとは・・・・はい、そうです、キスラーカプスタです。
でも、行列の長さにあきらめました。あきらめて、義母に泣きつくことにしました。
今年のクリスマスは、十何年ぶりに夫の実家で義父母といっしょに過ごします。義母の自家製酢キャベツと干しキノコのスープもひさしぶりなので、楽しみです。
どうぞみなさまも、おだやかなクリスマスをお迎えください。
Veselé Vianoce !
追伸:
おかげさまで「子ども脱被ばく裁判」応援カレンダーの売り上げが好調です。大阪の「空色画房」で開かれている原画展で18日に行われたイベントも大成功だったそうです。みなさま、どうもありがとうございます。原画展は12月26日が最終日になります。