1.01.2017

2017年1月1日


2017年が明けました。
日本で初日の出をかざった太陽が、スロヴァキアに8時間遅れで到着しました。



大晦日のカウントダウン後、日付がかわり、おきまりの花火大会でスロヴァキアの2017年が明けました。ペテルとわたしは、友人のイゴールさん宅のホームパーティーによばれて、友人たちといっしょに2016年が暮れてゆく時間を過ごしました。


そして、夜が明けて・・・・・


朝はいつものようにハルの散歩です。外気温はマイナス5度。わたしはもこもこ重ね着をし、帽子やマフラーでしっかり防寒し外にでてきたのに、犬は室内と同じかっこうで飛び出していきます。よく考えると、裸足なのですよね、犬って。野原につづくカチコチに凍った道を元気に走ってます。

霧につつまれた野原は、霜のついた木や枯草がガラス細工のように見えます。




野ばらの実、ローズヒップも凍っています。



駆けまわっているハルの耳の毛にも霜がつきはじめます。


走るたびにヒラヒラゆれるシッポの毛も霜つき。
それでも洋服なしに元気に走り回れるって、ミラクルです。でも、人間だって顔は防寒しなくても、室内と同じむきだしで大丈夫です。鍛えれば大丈夫ってことでしょうか・・・。


野ばらの枝に鳥が止まっていました。


スロヴァキア語でドロスト(Drozd)、和名は、クロウタドリです。英語だとブラックバード。ビートルズの楽曲の題名にも使われているこの鳥は、とても歌がじょうずです。複雑な鳴き方をするし、九官鳥のように他の鳥の歌のメロディーをまねることも得意です。
写真は雄鳥。雌は灰がかった茶色をしています。春になって人々が畑を耕しはじめると、その後について回り、土の中からミミズをつまみ出していく、愛嬌のある鳥。
今年は酉年。ドロストくん、冬のきびしい寒さを乗り切ってね。

友人宅でたのしくおしゃべりをしながら過ごした大晦日でしたが、わたしは内心、何事も起こりませんように・・・・・・と祈っていました。
去年のこの時期、ご存じのようにドイツのケルンで、集団暴行事件が起きました。大晦日の夜に大勢の若い男たち(大半を難民がしめる)が、新年を祝うために街へとくりだした女性たちに窃盗や性的暴行を働いた事件です。また、12月20日には、ベルリンのクリスマス市場に大型トラックが突っ込む悲惨なテロがおきました。

このような事件がどこかで起きるたびに、これまで、「人道」とか「理想」とかを健気に守ろうとしてきた人々の心にも、ひずみが生じ、軋みだしてしまうような不安を感じます。
今回、大晦日の夜に欧州では大きな事件が起きませんでしたが、残念なことに、トルコのイスタンブールでは、銃乱射事件がおきてしまいました。
わたし自身は、激しく変化していく社会の中で、家族を守りながら、この先、どこまで、どのように生きていけるのだろう。今は理想を抱きかかえているけれど、頭でっかちなわたしは、いつかそれを投げ捨ててしまうかもしれない。


ハルの散歩から家へと向かう途中、教会の鐘の音が聞こえてきました。
日曜日の礼拝に行く人々が、我が家の近くの小さな教会に集まってきています。

野原には、けものが通ったあと、枯草がひしゃげて道のようになっているところがいくつもあります。けものみちというには、まだ充分ではないけれど、そういう場所は動物にも人間にも歩きやすいから、みんなが歩いて、歩いているうちに道らしくなっていきます。
けものも人もいっしょに歩いて、すこしずつ道ができていく。そうやって生きていけたらいいなとわたしは思うのです。
そんな一年になりますように。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。